音楽で涼しさを演出する方法~涼感BGMのススメ
夏の暑い季節に必ず質問をいただくのが、「音楽で涼しさを演出できない」かというもの。
連載をさせていただいているUSENさんの「With Music」でも夏に向けて涼感BGMの特集が組まれました。
今回は音楽から涼しさを感じさせることができるコツをお伝えしました。
人は音からいろいろなことをイメージします。その心理作用を利用して少しでも涼しさを感じられる音楽の選び方をお伝えします。
冷房の温度を下げずに涼しさを演出したい
例えば、病院などではさまざまな事情を抱えた人が訪れるため暑いからといってむやみに温度を下げるわけにはいきません。音楽の選曲に少し気を配ると、涼しさを演出することが可能です。
涼しさを感じられる音楽の要素とは何でしょう。
人間は音楽からさまざまなことをイメージします。音楽や特定の音を聴くだけで暑苦しいとか涼しいなどと無意識に感じるものです。
これは音楽自体に涼しい空気を発する力があるわけではなく、あくまでも人間が心理的に感じるイメージです。
セミの「ミーンミーン」という音を聴けば、「夏だな」とか「暑い~~」などと感じることでしょう。
川のせせらぎや氷のカラ~ンという音を聴けば、涼しさを感じるものです。
この涼しさを感じる要素を音楽にも当てはめることで、涼しさの効果を出すことができます。
例えば、音と音の間隔は広く(満員電車から涼しさは感じられませんね)、そして比較的高音を中心に展開されている音楽、中性的な和声感があり透明感が感じられるものが良いでしょう。
中性的などと表現すると少し難しく感じられるかもしれません。クラシックでいうなら、印象派の時代のピアノ曲がその特徴を多く持ちあわせています。
とびきり明るいわけでもなく、かといってダークな不安感を煽るような暗い曲調でもない。その雰囲気が涼しさを感じさせてくれるのです。
暑さを感じるような要素である「密集」とか「重低音」とか「にごり」などの雰囲気がただよっている音楽は避けたほうが無難です。
季節の変化に合わせてBGMの選曲を変えてみると思わぬ効果があらわれるかもしれません。
普段使っているチャンネル以外にもぜひチェックしてみてください。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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