聴覚と視覚の役割分担

2006-07-01 (土)
音楽心理学とBGM

こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤寛です。

さて、そろそろ人間の耳の話に戻しましょう。

「共鳴現象」覚えていますか？

難しい言葉ですが、ぜひ覚えて欲しいので何度でも登場します。

過去の記事にも載っているので検索してみてください。

簡単に言いますと、
聴覚と視覚に共通する感覚、例えば「明るい」という評価がありますが、明るい映像に明るい音楽を合わせることによって、印象がより明るくなるという現象です。

主に、聴覚から視覚への影響が多いのですが視覚が聴覚に影響する場合もありました。
「音像定位」ですね。
どこから、音がなっているのか判断することを言いますが、この場合は視覚の情報に大きく左右されました。

「んー、聴覚と視覚の特徴はわかったけど、いちいち覚えられません。体系立てた特徴はないのですか？」
今回はそれほど難しくないので特別にお話しします。

物事を認知する時に、聴覚は何に優れ、視覚は何に優れているのでしょうか。
聴覚は主に、「時間パターン」の把握に優れています。そして、視覚は「空間パターン」の把握に優れているのです。
ですから、「音像定位」のように空間に影響されることは視覚が優位なのですね。反対に、感情や印象に関係することはある程度、時間を伴っている展開ですから、聴覚が優位になるのです。

これは基本事項でもありますので、頭に入れておいてください。

それでは、また。

この記事を書いている人

フェルモンド齋藤寛Twitter:@fermondo: 齋藤寛のFacebook（お気軽にどうぞ）
新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング（音で心を整える）をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある

コメント数:3

匿名 06-07-01 (土) 11:47

齋藤さま、こんばんは。
本日も貴殿の記事を興味深く拝読させて戴きました。
貴殿に記事（抜粋）『「音像定位」のように空間に影響されることは視覚が優位なのですね。反対に、感情や印象に関係することはある程度、時間を伴っている展開ですから、聴覚が優位になるのです。』
同感です。よく学習されておりますネ。感心！
齋藤さまと我が次男ボウ（神社の「虫ふうじ」のお札で、夜泣きが止まった）は同期（世代）です。
本年5月より「JAXA」（種子島）にて「宇宙空間でバイオリンを弾きたい！」という夢に向かって勤務しております。（余談でした）
また、貴殿の「リンク集」に掲載して戴きありがとうざざいます。（恐縮です）
我が既刊本は、約20年前に体験談を執筆（中間報告）したもので、現代の時代背景とは、随分違うことをお含みの上で、お読み戴ければ幸いです。
次回のすばらしい貴殿の「記事」をまた楽しみにしております。
では、貴殿の

匿名 06-07-01 (土) 12:02

・・の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
（応援させて下さいませ）
良き週末をお過ごしください。
♪おやすみなさい。
齋藤さまの生徒になりたい！
根本直樹より

匿名 06-07-02 (日) 8:41

根本様
コメントありがとうございます。
本は明日届く予定になっています。
JAXAにお勤めなんですか？
すごいですね。今、HPを拝見したのですがすごいプロジェクトで私には気の遠くなる分野です。でも、子供のころは天文学者になりたいと思っていたのですよ。宇宙空間では空気の振動が起きないから音が鳴らないのですよね？電磁波とか……。