BGMの心理学ブログ

未完で終わった「フーガの技法」の秘密



バッハの音楽は建築家が設計するかのように、数学的であり視覚的にも美しい音楽です。
フーガと呼ばれる多声音楽の頂点である「フーガの技法」はバッハの音楽の中でも、
最高の完成度を誇り、多声音楽の頂点に君臨しています。

全19曲から構成されている長大な曲です。

そして、バッハはこのフーガの技法の最終曲を書いているときに死んだとされています。
最後の未完のフーガ「3つの主題による4声のフーガ(コントラプンクトゥス XIV」は239小節目まで進んだところで、終わっています。

その直前のテーマは「シ♭―ラ―ド―シ」。
つまりドイツ音名になおすと「B―A―C―H」。

そうです、バッハの文字を取ったテーマです。
そのテーマから始まるフーガを最後まで完成することなく、バッハはこの世をさりました。

息子のC.P.E.バッハは、
「作曲者はバッハの名に基づく対位主題をこのフーガに挿入したところで、死に至った」と
楽譜に書き残しています。

もしかすると、バッハは自分の死を感じ取り、最後に自らの名を残すためにこのフーガを
書いたのかもしれません。

グールドはこの未完の楽譜に忠実に演奏しています。
最後がプツッと切れているところが、例えようのない余韻と未来を暗示しているようです。

*今日のヒトコト*
あなたは何を感じましたか?

音楽も人生も聴くことで良くなっていく

生まれ故郷の群馬に帰ってきました。

ここ数年でいろいろと街は変わっています。
行くたびに「あれ、こんなところにこんなお店が」ということがしばしば。

子どものころに歩いた町並みは何だかなつかしく感じると同時に、小さくも見えました。
小学校に今行ったら、「あれ、小さいな」なんて思うのでしょう。

この写真はとある公園にて。
どんな遊具なのかと思って見てみると、「風の音を聴く装置」なのだそう。

どんな音がするのか試しに聴いてみました。

すると、「ひゅ~、ひゅ~」「さらさら」「ぼーぼー」などいろいろな音が聞えました。
まわりの子どもたちも耳を澄ませて聴いていて、なんだかほのぼのしました。

現代ではなかなか耳を澄ますという習慣はありません。
むしろ、騒音や聴きたくない話から耳を塞ぐばかり。

「聴く」という行為は、音楽においても人生においてもとても重要なことです。
内なる音を聴く。

新年からなかなか良い体験でした。


*今日のヒトコト*
演奏は自分の音が聴けるようになってからが本番。

明けましておめでとうございます


2010年が始まりました。
今年もよろしくお願いします。

フェルモンドはというと、ジルベスタコンサートを聴きながらの年越しでした。
毎年恒例になっていますが、新年と同時に終わるという神業にはいつも感動してしまいます。

今年はショパンの生誕200年。ショパンイヤーです。
いたるところで、ショパンが聴けることになるでしょう。
いまからとても楽しみです。

フェルモンドは元旦から、いつもどおりにピアノの練習でした。
もちろん、ショパンから。

元旦からショパンの音楽と向き合うというのもいいですね。
テレビでは賑やかなお正月番組ばかりで、なんだか騒々しい。

静かに心を落ち着かせて、楽譜と向き合う。
こんなお正月が私には合っているようです。

楽譜が黒くなって分からなくなるくらいが、ちょうどいい。
たくさん書き込んだ楽譜を後から見るのはなんとも言えない達成かがあって
いいものです。

今年もいい音楽に触れていきましょう。


*今日のヒトコト*
今年の目標の一つ「180度足が開くようになる」

ショパンのノクターンの楽譜



ショパンの楽譜といえば、多くの人がパデレフスキ版を使っていることでしょう。
バッハ、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンなどヘンレ版は原典版としてとても
信頼されていますが、ショパンはパデレフスキ版を使っている人が多いようです。

ただ、有名なノクターンの遺作嬰ハ短調と、ちょっとマイナーですが私のお気に入りの
ハ短調のノクターンは、実はパデレフスキ版には収録されていません。
ワルツもそうなのですが、パデレフスキ版には「遺作」はないのです。

ということで、ショパンの遺作の楽譜が欲しいならやはり、ヘンレ版ということになります。

遺作を求め、今日は珍しくノクターンのヘンレ版を買ってきました。

現在練習中のOp.48-1 c-mollを見てみると、パデレフスキ版とヘンレ版ではかなり音が違います。
和音を省いているという次元ではなく、g-c の進行がh-c になっているくらい違います。

CDを聴いていても、多くのピアニストがパデレフスキ版で演奏していることが分かります。
ということで、ショパンを演奏するときはほとんどがパデレフスキ版を使っているのですが、
遺作の場合は仕方ないので、ヘンレ版を使うことにします。

余談ですが、パデレフスキ版でもエチュードのOp.25-6(有名な三度の難曲)は、
ほとんどのピアニストがパデレフスキ版を採用していません。
冒頭の二回目の三度の重音が全音で動くのか、半音で動くのかの違いなのですが、
多くのピアニストが半音で演奏しています。(パデレフスキ版は全音)

知っているところだと、マレイ・ペライアは全音で演奏している珍しい例です。
少々マニアックなところですが、興味のある方は聴いてみてください。

*今日のヒトコト*
暗譜するときは楽譜の位置も頭に入れるので途中では変えられない

取材実績ページ更新しました

フェルモンド齋藤です。

書籍執筆も最終校正段階に入っております。
もう少しです。

さて、今年は取材ラッシュといっても良いくらい、たくさんのメディアから取材を受けました。
音と心理の関係について、一般に認知されテレビやラジオ、雑誌等で特集されることは、
大変うれしく思います。

すべて掲載は難しいのですが、大きいところを更新しました。
ほかにも、スケジュールの関係でお断りをしなければならないケースもかなりあり、
取材好きの私としては非常に残念でした。

現代はモノが溢れ、何でも手に入る時代。
そんな時代にこそ、音楽や感情という目には見えない大切なものがとても注目を浴びるのだと思います。
最近の取材傾向を見ていると、顕著にそれを感じます。

まさに、心の時代といえるでしょう。
今後のメディアの動きは要注目です。

メディア関係者の方、取材依頼大歓迎です。

*今日のヒトコト*
取材の際はできるだけ詳細をお知らせください

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