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色彩が音楽に影響を与える

2006-05-16 (火)
音楽心理学とBGM

こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤　寛です。

これ何だかわかりますか。
「色相環」（しきそうかん）と呼ばれるもので、自然界の色の連なりを円状で表したものです。
前回は音楽を聴いて、色を連想するという話をしました。

今回は、色が音楽に及ぼす影響です。

少し、ややこしいですが、前回の逆です。

「赤」は何を連想しますか。
「りんご。」
……。

いやいや、そうではなくて感情や印象といった観点で捉えてください。
「じゃあ、情・、興奮、怒り、暑いとか。」

では、「緑」は。
「穏やか、平和、落ち着き、安らぎとかかなあ。」

そうそう、そういうことです。

もちろん人によって、バラつきはありますが概ねこんな印象が多いようです。
これを踏まえて、音楽と組み合わせてみましょう。

色を音楽と組み合わせる。
そうですね、それではピアノのコンサートで照明の色が変わると想定しましょう。

分かりやすいでしょう。

では、ピアニストにショパンの「革命のエチュード」を弾いてもらいます。
照明は、「赤」。

どうですか。想像してみてください。

続いて、照明を「緑」。
どうですか。

実験では、もっと多くの色を組み合わせました。
ここでは比較しやすいように対極にある「赤」と「緑」を選んであります。

結果はといえば、
「赤」を組み合わせると「革命のエチュード」の情熱さと相まって、
「音楽と色が合っている」との印象が強く、より「情・的、迫力のある」ものにします。

「緑」を組み合わせると「なんだか音楽と合っていない」、「迫力が失われた」との印象でした。
これは、音楽によっては逆となります。

ですから、お店のイメージカラーと音楽との相性はよく考えたほうが良いでしょう。
環境音楽が流れるような、自然あふれるお店のBGMに壁の色が真っ赤だったらどうでしょう。
なんだか複雑な心境になって落ち着きませんね。

狙いが半減してしまいそうです。

また次回。

この記事を書いている人

フェルモンド齋藤寛Twitter:@fermondo: 齋藤寛のFacebook（お気軽にどうぞ）
新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング（音で心を整える）をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある

コメント数:2

オリオリ 06-05-17 (水) 18:46

会津のオリオリです　おはようございます
音楽とはすこしはなれますが私は着物をよく着るので以前から気になっていた色相環をみれてとても役に立ちました　いつも補色や配色を私のブログの常連の画家さんにたずねていたので一発でわかるようになりました　ショパンの革命は鬼のような左手の運指ですね　実は脳梗塞で左半身麻痺という状況から現在に至ります　おかげさまで日常生活は問題ありませんがピアノの左手だけは、もうニュアンスが出せません
音楽療法のコンサートで演奏してわたし自身が麻痺を持っているとカミングアウトするとみなさんビックリなさるし励ましても下さります　音楽は人をつなげるものですね　

匿名 06-05-18 (木) 6:39