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大きい音、小さい音 ~文脈効果~

こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤 寛です。

今日も音量の話です。
前回は、音量に耳が慣れるという話でした。

今回は、もっと短時間での耳の錯覚についてです。

メロディーを知覚する時は、前後の音の高さを相対的に捉えて認識しています。
先行する音を記憶しながら、メロディーとして認識していくわけです。

このことは音量にもいえるのです。
どういうことでしょう。

簡単に言うと、ある音の音量を認識するときには先行する音の音量が大きく関わっているということです。
ある曲を段々大きくしていった場合と段々小さくしていった場合では、数値では同じ音量であっても段々大きくしていったほうが大きいなと感じるのです。

これを「文脈効果」といっています。

まあ、細かい専門用語ですので無理には覚えなくてもいいですよ。
最初に小さな音で聴いていると、少し大きくても「大きい」と感じ、はじめから大きい音で聴いているとそんなに小さな音じゃなくても「小さいな」と感じるのです。

人間は物事を相対的に捉える習性があるようです。

この「文脈効果」ですがピアニストはそのことを意識的には無意識的にか、実際の演奏でも利用しているのです。
一つ実験を紹介します。

ルービンシュタインをはじめ計6人のピアニストに実験をしました。
ショパンのノクターンの一部からおもしろい事例が発見されました。
f(フォルテ)からp(ピアノ)になるときのp(ピアノ)の音量と、p(ピアノ)からpp(ピアニッシモ)になるときのp(ピアノ)では後者のほうが大きく演奏しています。

これは、先行音を大きくすることによって次の音がより小さく感じることを経験からわかっていたのでしょう。

これを応用して、何かお願い事をするときは、はじめは大げさなお願いをして断られたら本来お願いしたいことをお願いすれば相手ものんでくれるかもしれませんね。


それでは、また。

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